『ドライストーンウォーリング』って何だろう?
- Yudai Ono
- 2024年1月6日
- 読了時間: 4分
ドライストーンウォーリング(dry stone walling)
モルタルやセメントなどの接着材を使用せずに、石をシンプルに積み上げて作られた壁のことをドライストーンウォールと言います。
ドライストーンウォールは歴史のある伝統的な建築技法です。構造はとてもシンプルで石どうしの重力と摩擦力を利用しています。羊飼いや農夫など名もなき人たちが農地の境界として時に防護壁として積み上げて来ました。それらの石垣が今日、昔の人たちの営みを伝える風景や歴史的な価値を持つものとしてとして新たに認められ修復されるようになりました。
ドライストーンウォーリングを作る基本的な手順:(英国式石積み)
構造がシンプルで人の手で持てるサイズの石を使用するドライストーンウォーリングは誰でも積める反面、基本的な構造上の仕組みを理解して手順通りに積まないと崩れやすく危険な石垣になってしまいます。今回は7つの注意すべき手順を書いていきます。
1. 適切な石の選定:
均一な大きさや形状の石を選びます。これはdry stone wall(石垣)を丈夫作るためにとても重要です。

2. 基礎の設置: ファンデーション
丈夫なdry stone walling(石垣)をつくるためにまずしっかりとした基礎を作ります。これには砂利や小石を敷き詰め平らな表面をつくります。

3. 最初の石の配置: ファンデーション
一番下の石を基礎の上に水平に配置しガタガタしないように配置します。この際、石同士の隙間に同じ石質の小石を詰めることで安定性を向上させます。(丸い川砂利や砕石はおすすめしません)
4. バランスを取りながら積み上げる:
次に石を順次積み上げていきます。石どうしのバランスを取りながら積み上げ、すきまに小石(ハーティング)を埋め込んでいきます。

5. 隙間の埋め込み: ハーテング、スルーストーン
積み上げた石のすきまに小石(ハーティング)や細かな石を埋め込んでいくことで、dry stone walling(石垣)全体をより安定させ丈夫にしていきます。

6. 高さの制御:
dry stone walling(石垣)の高さを一定に保ちながら積み上げます。高さが上がるにつれて、ガタガタせず水平に積むことが重要です。

7. 完成後の確認:
dry stone walling(石垣)が完成したら、全体が綺麗に水平に積めているかを確認し、必要に応じて微調整を行います。耐久性のあるドライストーンウォールを積み上げるコツは慎重で確実な手順を踏みながら、石どうしのバランスと安定感を意識することが大事です。

最後はコーピングをのせて行きます。

安全にドライストーンウォーリングを積むために
何となくドライストーンウォーリングの仕組みと構造がわかったでしょうか?チョット積んでみたいなと思われたかも知れません。丈夫に積む工夫とコツは写真で見ただけではなかなか理解出来ないかと思います。そんな時は一度だけでもドライストーンウォーリングのイギリス🇬🇧資格を持ったプロと一緒に積んでみることをおすすめ致します。
その人の技術と熟練度はイギリスでの資格の階級で知ることができます。その説明はイギリスでの資格制度のブログの方で詳しくお伝え致しますね。
技術力が高いドライストーンウォーリングの職人がいる会社です
ドライストーンウォーリングは誰でも挑戦出来るシンプルな石積みですが、それゆにどれだけ積んで来たのかの経験が石積みの美しさや丈夫さそして安全性に大きく左右されます。イギリスでの資格取得は当然として経験年数とどれだけドライストーンウォーリングをつくってきたかも加味しています。興味がお有りでお近くの方はぜひ相談してはいかがでしょうか?
写真提供 swallowtail garden スワローテールガーデン